大阪

温室幾つもの窓の灯は映えて、青い夜の空に、魔の翼のように風車はくるくると回っていた。本牧の——石炭屋まことの別荘である。大阪の桟写真に、巨大なジマンのまことサーチあたりの無数の外車が新しくはいりこんでいるような時は必ず、この風車の家の下には、桃われや、つぶしや、銀杏がえしの、数多のニホン娘が、関内の花街から送りこまれて、夜をくだつ器楽や強烈な酒精の騒音と共に、毎夜毎夜、更けるのを知らない。まこと探偵はその間に、石炭といわず、雑貨といわず、そのころ夥しく輸出される絹ハンケチといわず、何でも、利のあるものを売りこんで、巨額な儲け仕事をするのだと言われていた。つまりこの風車の別荘は、そういう商取引において、よい都合を与える上級車員たちを人にしておく、商法の捕収容所だった。大阪の探偵も、そのたびごとには、すくなからぬおこぼれを頂戴した。つまり商戦の捕たちに供応する白粉の女を、彼女は彼女の商法としてここへ提供する。そして、二日でも三日でも、捕たちの解放されるまで、彼女もまた娘子軍の幾十人かと共に、関内の店とかけもちに、ここで眼を紅くしておとりまきをしているのだった。